風になりたい

 

白い雨が　街中ぬらして

もうすぐ朝です　少し寒い

長い髪を　伝わるしずくは

ほほをかすめて　手のひらに落ちた

愛されたいから　震えていました

抱きしめられても　貴方を掴めない

覚えているのは　煙草の香りと

私を離した　時の隙間風

通り過ぎる　貴方が風なら

私も今すぐ　風になりたい・・

風になりたい

http://www.youtube.com/watch?v=MHXorOWBWfw

遠い昔　深夜ラヂオで聞いた曲

切ない想いを　抱えきれなくなってたとき

私を優しく包んでくれた曲

この曲をうたってた人　綺麗な人だった

今はどうなってるんだろう・・・

 

妙な癖

 

私は昔から

ある日突然　なんもかも捨てて

知らない所へ身を置きたくなる時がある

誰も自分の事を知らない未知の場所

特別不満があるわけでもなく

ふと、普通の日常にそんな事を思ったりする

しがらみやわずらわしい感情も持たずに

なにもかも最初からはじめられるような気がして

若い頃はふらっといなくなったりもした

あてずっぽに電車に乗り

知らない場所の知らない街へ行った

すえた匂いの街の

怪しげな店の看板を見て

時給2500円くれるというので、働いた事もあった

でも、誰も知る人はいないから躊躇する事もなく

下着の上に透けすけのベビードールを着せられ

テーブルの上で踊る事も不思議と嫌じゃなかった

そして家族や友達に泣かれ

本来の場所に戻る

もし、友達も家族もいなければ

私は今頃　どうにかなっていたのかもしれない

落ちる所まで落ちてみたい

そんな気持ちになる時がある

それは今でも時々その衝動にかられる

だけど・・・

それをするには　

歳を重ねるごとに　背負う物が重過ぎて

身動きできずに妄想だけが膨らんで

私の妙な癖を

なんとか落ち着かせていてくれる

今、それをしたら・・・とんでもない騒ぎになるか

それとも

「ああ・・・あの人のことだからありえるね」

そういわれるか・・・

背負っている物を全部投げ出して

電車に飛び乗るには

少し歳をとりすぎたかもしれないな

 

 

船

 

氷の海を船が行く

いつ沈むかわからない泥の船

それでも身を寄せ合えば暖かく

楽園を夢見て船が行く

沈む時は一緒ね

たとえ終わりの無い旅でも

いける所まで行ければいいの

もう、もどれない

氷の海を船が行く・・・

 

　

Ｔｒｕｅ Ｒｏｍａｎｃｅ

 

本当の愛ってなんだろね

愛してると云うのはたやすいけれど

本当に愛する事はむずかしい

愛を信じられない人は

愛される事も難しい？

愛してると心が実感した時に

愛されている事に気づくのかもしれないね

思えば、どれもこれも本物だった

結果はどうあれ

愛した事に嘘はなかったのかもしれないね

 

君に逢いたい

 青い青い空　白い白い雲

肌に触れる風は冷ややかなのに

その中に溶けてしまいたくなるほど　愛しい日差し

空はどこまでも青い　雲はふわふわと白い

君はそこから来るの？

赤や黄色の布を纏った　妖精達をつれてくるんでしょ？

君がここに来れば、木々が目覚め　大地が息づく

優しい風の香りが街中を包み

背中を丸めていた猫たちも　広場に集まり

お年寄り達も笑顔で朝を迎える

君はいつ来るの？　あと　どれくらい？

はやくおいで　みんな待ってる

早く君に逢いたい

春と云う名の　君・・・

 

 

ひだまり

 

ブラインドから差し込む　柔らかい冬の光

一人の部屋にしましまの影模様を作る

寒さ厳しい冬の　ひとときの優しさ

きらきら　きらきら

いつしか光の中で溶けるようにうとうとと眠る

目が覚めると、日はすっかり暮れ

また静かで冷たい夜がはじまる

 

紅い苛立ち

 

とにかくイラつく

些細な事が　神経に障る

普段なんでもない事が

妙に邪悪な事のように思えたり

物音にも敏感になる

月に一度やってくる紅い紅い悪魔

女である事を悲しいほどに思い知らされ

心と体が背を向ける　魔の時

やがてそれらから解放され

心が解き放たれる

紅は女の色

そして心の夜叉の色

白い肌に

ぬらぬらと滴り落ち

夜叉は牙をむく

女であれば

誰にでも潜む

紅い苛立ち

 

 

 

無理をする女

世の中には変わった女がいる

ただ未熟なだけと云えばそれまでなのかもだが

ある程度は持って生まれた性質なんだろうな

すでにいっぱいいっぱいのキャパの中

人の事が気になり、世話を焼きたがる

それどころではない我が身を忘れ

人の心配？をする

相談をされる事に自分の価値を置いているのか

人の不幸で自分の不幸から逃れているのかわからないが

そんな器も無い癖に

己の事はおざなりに人の心配ばかり

そしてふと気がつくと　孤独な我が身に傷つく

かわいそうな　無理する女

自分を見失い　暗闇へと落ちて行く

そんな女を私は嫌いではなく

むしろ好きだけど

それを見ながら私は・・・

いや、手を差しのべたりはしないだろう

だって、そんな事をしたら

私まで

「無理をする女」

になってしまうもの

無理をしなくても

誰も本当は　頼りになんかしてやしない

他人様は結構強い

弱いのは自分自身であること

いつか嫌でも気づくだろう・・・

 

 

煮物

今日、里芋を煮た

でも、まだ食べない

明日食べるのだ

何かの料理番組で

「煮物は冷めていく時に味が沁みるのよ」

と、誰かが云ってたのを思い出して

男と女も似たようなもんかな

なんて思った

熱いうちは味が無い

ただ、熱があるだけ

時間をかけてコトコト

愛情いっぱい込めて　

丁寧に煮込めば

形も壊れずに味が沁みるね

きっと冷めても美味しいはず・・・

大事な事は

つつきすぎず　かまいすぎず

美味しくなぁ～れと、呪文をかけて

信じて煮込むのがコツかしら？

冷めても美味しい　煮物

そんな関係がいいなぁ・・・

 

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カラダ

友達が子宮系の病気の検査でひっかかった

同い年

不安な気持ちは底知れないだろうとおもう

同じ不安を私は去年味わった

今となれば大袈裟だけど

「もう駄目だ・・・」

そう思った

時と共に衰え逝くカラダ

生を受けたものの宿命でもある

それは

花も木も　虫も鳥も・・・

人はそれらを

できればゆるやかに迎えたいと思う

突然の衰弱は

心にも痛みを与える

大切な命を

誰が大切にしてくれるのか

それは自分

もし、肉体が衰弱しても

受け止められる強い精神があれば

人は必ず回復できる

病は気から・・・

どんな医学にもまさる

幸い友は強い

私も見習わなければならない

同じ時を過ごす者として・・・